「もっと優しい旅への勉強会」定例会報告

2002年2月 定例会の報告
「2002年2月10日~11日 銚子・犬吠埼京成ホテルバリアフリーの旅」

2月の勉強会は連休の10日から11日を利用した犬吠埼への旅行でした。旅の大きな目的は、当会員の会員である秋元さんが勤務しており、バリアフリーに力を入れている犬吠埼京成ホテルに泊まるというものでした。

リフトバスリフトバスのリフト使用中当日はあいにくの曇り空、時折ちらつく小雪、もう上天気は望み薄。山田さんが用意してくれたリフト付きバスは横浜、川崎で数人を拾い、東京駅へ。ここでとほとんどの参加者が乗り込み、バスはあっという間に満員状態。早速宴会開始。寒くても冷たいビールはなんて美味しいのでしょう。あと沖縄から差し入れられた松本さんからのハブ酒も振るまわれ(味は養命酒みたいとの声も)とにかくにぎやかな車内でありました。途中トイレ休憩をいれ、千葉県へ入ると雪も本格的、車窓から見える家々の屋根はうっすらと雪が積もった様子。房総の春は期待できませんでした。そういえば昨年行った沖縄も雨。この顔ぶれの中に雨男、雨女、いや雪男、雪女がいるとか話題になりました。

犬吠崎京成ホテル入口バスはいよいよ京成ホテルへ到着。早速秋元さんが迎えてくれました。結婚式場もある大きなホテルです。エレベーターに乗るには数段の階段、スロープの両方がありましたがスロープだとエレベーターまでちょっと遠周りするようでした。
割り当てられた部屋でしばし落ち着き、和室の部屋は車椅子が入らず廊下に置きました。

露天風呂少し休んでから温泉へ。脱衣所にシャワーチェアがおかれてありました。楽しみと不安。歩けない私にはただでさえおぼつかないのに大きな浴場は大変恐怖です。浴槽には手すりがついてありました。そこに行きつくまで手を貸していただきました。そうでなかったらペタペタはって移動するしかありません。露天風呂にも入ることができ本当に気持ちよかったです。手を貸してくださった方々感謝感謝です。

後から秋元さんから伺ったお話によるとそのお風呂を造る段階からかかわられたとのこと。床に張られた敷石は点字ブロックの形をとっていること、浴槽に手すりをつけたこと。私は脱衣所から浴槽に続く手すりがほしいと一言。すると「病院みたいだ」と言われたりするとの事で、多々の意見に苦心していると言っていらっしゃいました。でも近隣のホテルの中では評判がよく、高齢のかたの利用も多いとのことでした。完璧といえる形はないのですね。その後宴会、カラオケで盛り上がりました。続いて2次会と寝不足の人も多かったのでは。

犬吠崎の朝日翌日は前日の雪がうそのような快晴。部屋からは海が一望で寝ながらに朝日が昇るのを眺められラッキーでした。朝食はビュフェスタイルで各々自由に取る形式。まだ寝ている人もいたのでは? 我々女性はなんとなくホテルでは団体行動。余裕のある朝を過ごしました。チェックアウト後は記念撮影にと歩いて近くの岩場に全員ででました。やはり気持ちのいい朝でした。その後バスに乗り込み、地球が丸く見えるという展望台へ。ここでは途中までエレベーター、半分の上までは階段しかなく人力で車椅子を持ち上げてもらいました。

海がなんとなく丸く見えたかな?再びバスにのり次は鮮魚センターへ。ここで昼食と買い物。魚が活気よく売られる中食べ物家を探し、それぞれ席を確保した様子。買い物を終え、おなかもいっぱいになったところで、秋元さんとはここでお別れ。一路東京へ。2度のトイレ休憩をすまし、無事東京駅へ。皆さんおつかれさまでした。
沖縄に引き続き、旅行のプランを立てて下さった神田さん、安全運転で運んでくださった山田さん大変ありがとうございました。来年はどこでしょうか?楽しみです。

(会報担当 行武厚子)

プログラム担当から

2月は10日、11日の連休を利用してバリアフリー温泉ツアーに行ってきました。当初、2001年2月には海外旅行を企画していたのですが、ニューヨークのテロ騒ぎが発生し、飛行機による旅行が難しい状況となってしまいました。そこで、昨年の沖縄旅行に続いて国内旅行-特に人気の高い温泉旅行を選定することになりました。

温泉というと意外にもバリアが多い。その中で、バリアフリーに真正面から取り組まれている犬吠埼京成ホテルに着目しました。20名の募集に26名もの参加者がありました。男性15名、女性11名、幼児1名。うち障害のある方9名でした。重岡利栄子さんははるばる福岡より参加です。なお、介助犬1頭参加予定でしたが、体調不良のため犬1頭キャンセルが出ました。

しかし、全員無病、無事故に旅行することができました。そして、今回の旅行でとてもラッキーなことに、移送サービスの山田勝宏さんのご尽力により_ピッカピッカ_にみがいたリフト付マイクロバスを横浜ラポールから格安で借りることが出来た上、山田さんの安全運転で大変快適なバスの旅を満喫できました。

旅行の手配も元旅行会社勤務の経験を生かしてくださった方々や、全日空の石倉康範さん、JTB戸塚支店の毛利直俊さんにバックアップしていただきました。ホテルとの障害者トイレ、浴場でのフォローやケアー等こまかい打ち合わせは京成ホテル勤務の秋元昭臣さんに、会計処理はいつものように木村朋子さんにお願いしました。吉田さんには写真、その他の記録もあわせてやっていただきました。
宴会では、当勉強会代表の草薙威一郎さんと副代表の成瀬史恭さんに美声を披露していただき、宴会を大いに盛り上げていただきました。その他多くの方々に御協力いただきましてここに心より感謝いたします。

さて、千葉県銚子市は東京より車で2~3時間の距離にありながら、とても空気と水のきれいな所で、東京近郊にまだこのような自然に恵まれた所があったのかということをあらためて再認識いたしました。

その日本の_へそ_にあたる銚子市に立地する犬吠埼京成ホテルは京成グループをあげてバリアフリーに取り組んでいます。たとえばオストミーの方に配慮した多目的トイレの設置や大浴場内での移動を容易にしたバスキャリーやシャワーキャリーを用意したり、ヒーリングスパにはランディーズ(砂浜や多少の悪路でも使える車いす)を用意したりしています。視聴覚障害のある方へもノックセンサー・振動呼出し器・音声時計といったものも無料で貸出しています。今では銚子市だけでなく、千葉県も応援体制をとり、他のホテルの方々もたくさん見学に来られるとお聞きしました。

この10年来、京成ホテル企画部の秋元さんを筆頭に、バリアフリーに対しての地道な努力が少しずつ報われて来たようです。すなわち、バリアフリーに対応するということで集客率を高め、収益を伸ばすことにつながることを実践してみせた訳です。また、昨年は運よく温泉を掘りあて、ゆくゆくはこの温泉を他のホテルや施設に引いて一大温泉郷を作るプランも計画中だそうです。2日目、前日の降雪がなかったかのような快晴に恵まれ、一行は海岸を散策。ここでは、前述の「ランディーズ」が活躍、海岸まで難なくたどりつくことができ、また、高さ27メートルの「犬吠埼灯台」では、互いに手伝いながら99ある階段を登り切り、灯火点からの風景と暖かい潮風を感じることができました。

散策を終えて、一行はバスにて「地球の丸く見える丘展望館」へ。頂上の展望台(こちらも途中からは階段が20。人海戦術で昇り降りです)から見渡す360度のパノラマにしばしの間一同圧巻のようす(「丸く見える」の意味を違って解釈した人若干名)。その後、ショッピングセンター「ウオッセ21」にて昼食と買い物、銚子の海の幸を堪能した後は帰路につき、夜には無事東京駅に到着、解散のはこびとなりました。

今回の旅は、参加したメンバーそれぞれが企画段階から取組み、旅行中も場面に応じて最低限の介助等を行ないましたが、それは決して「サポートする側」「される側」のラインなどなく、関わった各々が主体的に自身の旅を楽しみ、互がその楽しさを共有することで、結果として成功につながった旅であったように思います。そこには少なくとも「障害を乗り越えて」とか「勇気を出して」旅に行くといった重苦しい場面は感じられず、参加した全員が単純に「楽しかった」と思えることのできた2日間でした。残念ながら、都合により参加できなかった方も多くいらっしゃいましたが、いろいろアドバイスや情報をいただいたことも、楽しかった旅の要因につながっています。
勉強会では、すでに次のプランを視野に入れて活動に取り組んでいます。次回もより多くの人たちとともに、「実践の場」を創っていきたいと思います。

(プログラム担当 神田幹雄)

参加者の感想

青木圓さんより

梅の花に見送られて神奈川県で乗った6人は、東京駅で残りを積んで東関東自動車道に向け出発だ。運転手は山田、バスは浜身連 [横浜市身体障害者団体連合会]、補助席も出る盛況である。浜身連は音だけ聞くと何かみたいだ、とかワイワイガヤガヤ。やがて安全な山田号は、秋元さん迎える京成ホテルへ。

ちょうど建国記念日と重なってホテルは満室。満室の為、また連絡不足の為、秋元さんご自慢のバリアフリーのバスルームの見学はほんの少しの人だけ。勉強会と銘打っているのだから少し勿体ない。このバリアフリーのバスルーム自体は身障者(脳卒中の中途障害)の私には向かない。それから夕食までの間、温泉に入ったり、お茶を飲んだりしてゆっくりした。

メンバーが若くなったなア、と言う感じはしていたが、夜の宴会はすごい。飛び道具こそ入らないがケリは入るし手拍子は入る。夕食の9時ははるかに越えてしまった。私はそこそこに寝たのだけれど、二次会組の楽しげな声はいつまで続くのだろう。温泉は二度入った人もいる。

翌朝、大急ぎで朝御飯をすませ、山田号の出発に合わせる。交通渋滞や仕事の為、先に帰る人もいるけれど大部分は犬吠埼灯台に行く。私はサッと登りサッと降りたが成瀬さん(車椅子使用者)が登るという。若い者がサッとランディーズから成瀬さんを抱き上げる。灯台は上が狭く最後の5.6段は垂直なのだ。成瀬さんを抱き上げられない者は、合図によりランディーズをバリアーにして「今、身障者が人に抱かれて降りています。登るのをちっと待ってください。」と頼んでいる。秋元さんが案内係の所にところへ走っていって「身障者が搭に登ったのは、始めてだって」と、うれしそうに帰ってきたのが、とても印象的でした。

水平線が「円く(円形に)」見えるという展望台で水平線が「丸く(球形に)」見えないとがっかりする人もいた」そういえば両方とも「マルク」見えるには違いないもの。

名物のいわしのお昼を食べて犬吠埼を後にした。途中、運転手が変わる、変わらないのともめごともあったけれど安全に東京駅経由神奈川へとバスは進んだのだった。神田先生、引率おつかれさまでした。

脇屋文美さんより

私は昨年末から勉強会に参加している学生です。以前から代表の方や会員の方から勉強会についてはお聞きしていましたが、みなさんとても個性的で、今回の旅でもみなさんの意外な一面をたくさん発見しました。新参者の私にもさりげないご配慮をしていただき、ありがとうございました。

勉強会においての今回のような旅行は、勉強会のメンバーが普段勉強していることを実践に移す場として非常に重要であると感じました。犬吠埼京成ホテルの見学や宿泊、みんなで犬吠埼灯台に登ったことなどから、机上の勉強も大切であると同時に、実践に移してこそ、その意味が分かったり新たな発見があるのだと改めて実感しました。今後このような実践の場がさらに増えていくとのことですので(キャンプなど)、これからも積極的に参加していきたいと思っています。

最後に、たくさんの方々からは私にはない「若さ」をいただきました。ハジケることも時には必要ですね!見習わなければ・・・。

もっと優しい旅への勉強会、会報担当 木村(文 珠川朋子)

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