「もっと優しい旅への勉強会」定例会報告

2001年10月 定例会の報告
YMCAの「バリアフリー講座」について

10月は当会でもたくさんのメンバーが協力している、東京YMCAの「バリアフリー講座」について、愛洲久美子先生(千葉YMCA千葉センター副主任)からお話をうかがいました。愛洲先生は昨年度まで東京YMCA英語ホテルサービス専門学校で「バリアフリー講座」の授業の企画実施を行っていらっしゃいました。
10月14日、13:15より、成瀬副代表の司会で開始され参加者は16名でした。

愛洲久美子先生のお話

私は東京YMCAに入って10年目になります。昨年までは東京YMCA国際ホテル専門学校の職員でした。(現・東京YMCA英語ホテルサービス専門学校)最初にYMCAについて簡単に説明します。YMCAは日本語にすると「キリスト教青年会」となり、1880年(明治13年)創立以来、青少年の全人的な成長と、他者と共存共生できる地域社会を形成するための運動を行ってきている公益法人です。120年の活動の歴史があります。「バスケットボール・室内プール・英会話スクール」などもそれぞれ日本に初めて持込んだのはYMCAです。東京オリンピック前の水泳選手の強化訓練にもYMCAの室内プールが利用されていました。今ではキャンプ・YMCAホテルの運営・国際ボランティアなどの活動をしています。それらの中でも専門学校の運営のウエイトは大きいものが有ります。

もちろん、「ホテル専門学校」を作ったのも日本で初めてです。当専門学校の卒業生は北から南まで日本全国で活躍しています。生徒は高校を卒業してから入る2年制の生徒と大学を卒業してからの1年制の生徒がいます。生徒のなかには家業の旅館の跡継もいます。1学年では実習授業が多く組まれており、実際に首都圏のホテルへ実習にも行っています。

「バリアフリー講座」は校長の発案で始まりました。まだ歴史が浅く6年程度です。選択授業となっています。YMCAそのものが福祉的心を育てるボランタリー精神の充分な下地が有ったので、実現しやすかったのだと思います。

4年前「バリアフリー講座」をお願いしている外部講師の先生とうまくコミュニケーションが取れず、授業開始が迫ってきた直前になって、あわてて横浜YMCAの早川先生に相談しました。当時横浜YMCAの国際ホテル・トラベル専門学校では「介助法」という授業が行われていました。急遽早川先生を通じて「介助法」でつながりが有った「トラベルフリーの会」の方々を紹介していただき、講師としてきてもらいました。サービス業に着くのに、障害のある人と会ったこともない生徒たちに、就職してすぐ出来ること、わかりやすい内容にしようと思いました。

数回の授業を「トラベルフリーの会」の皆様にしていただいた後、横浜から東京に授業に来てもらうには距離的に遠いということ、東京という地域に根ざした講師が授業をもつことに意義があるということで、「トラベルフリーの会」より東京の「もっと優しい旅への勉強会」を紹介して頂き、本格的なスタートになりました。主に成瀬さんにコーディネイトして頂いています。

2000年度後期バリアフリー講座のプログラム紹介

◎1月11日第一回 障害のある方を知ろう(ふれ合うことが目的)
司会 成瀬 すべての講座担当(当会副代表、肢体不自由・車椅子)
ほか肢体不自由・視覚障害・聴覚障害の方各一名講師として参加
この時は20人ほどの生徒の前にぞろぞろと障害のある方が入ってきた。笑っても良いのかなと戸惑っていたようだが、冗談交じりの自己紹介に何もかも新鮮に感じたようだった。ディスカッションでは障害のある人が身近に感じられ、明るく前向きなことに気が付いた、との意見が出された。
◎1月18日第2回 車いすを利用している方を知ろう
車椅子利用者講師
講師がなぜ車いす生活になったかの話。町に出て車いす体験-コンビニでの買い物、銀行のATM、階段などを検証した。町の段差、道路の傾斜、周囲の目が気になった、との感想。
◎1月25日第3回 視覚障害のある人を知ろう
白杖を利用している視覚障害者講師
アイマスクで町に出る。セミの音が普段と違って聞こえる。路上の自転車が迷惑、視覚以外の感覚が鋭くなる、等の感想があった。
◎2月1日第4回 バリアフリーなホテルを知ろう 京王プラザホテルの見学。
盲導犬を連れた視覚障害者、電動車椅子利用者(当会会員)が参加。
京王プラザホテルの設備と障害者向けに開発された新しい機器を体験した。
◎2月8日第5回 ホテルの従業員の立場から知っておきたいこと。
現役ホテルマン(当会会員)講師
設備が満足でないホテルでも日曜大工的な発想とチャレンジ精神で少ない予算の中からもバリアフリー化は実現できるというお話。

上記が大まかな授業の概要の報告です。この授業は感想文の提出で単位が与えられます。その感想文は学生の素直な気持ちが表現されていて良い物がたくさん有りました。例をあげると、・私達に何が出来るか考えさせられた。・障害のある人は特別な人ではなくて、私達と何ら変わらない人。・など(実際にいくつかの感想文を紹介して頂きました)YMCAとしてもこの授業を大変大事に考えています。本当は全学生に受講してもらいたいと思っています。

会場にこの講座にかかわった方が来ていましたので各人より感想を頂きました。(敬称略)

大山:マニュアル作りにかかわりました。

早川(横浜YMCA):どんどん当事者(障害のある方)に講師として参加して頂きたい。

秋元:学生さんには鋭い質問をうけヒヤヒヤででした。

行武:学生さんと同じ気分でホテル見学に行きました。

紙:講師のプロとして、講義のレベルを保つようにマニュアル作りが必要と思います。

草薙:講師として話すことで成長している方もいる。授業の時間配分など再考してみるのも必要と思います。

質疑応答

Q:卒業生から「うちの施設の改善はどうしたら良いか協力して欲しい」などの相談は有りますか?

A:残念ながら卒業生の声を聞く機会がなく、まだ有りません。

最後にバリアフリー講座のコーディネーターを努めた成瀬さんから、「バリアフリーの基本的な知識をこの授業で学んでもらってあとは学生がステップアップしてもらいたい。生徒の成長が嬉しく感じられました」とのお話がありました。

愛洲先生ありがとうございました。YMCA英語ホテルサービス専門学校では、今年度も年明けに「バリアフリー講座」の授業を予定しています。

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