「もっと優しい旅への勉強会」定例会報告

2001年6月 定例会の報告
「障害者と旅 ~生き生きと生きるための旅の役割~」

講師:日本障害者リハビリテーション協会 奥平真砂子氏

日時:2001年6月16日

会場:JATA会議室

今月は2001年の総会が行われました。議事に入る前に6月の勉強会として奥平真砂子さんのお話をお伺いいたしました。
奥平真砂子さんは現在リハ協(日本障害者リハビリテーション協会)に勤務されています。御自身も脳性マヒの障害をお持ちですが、今までに大変たくさんの障害をお持ちの方との旅行経験をされています。現在はお仕事の関係でアジアの様々な国を回っていらっしゃいます。
最初に奥平さんから、どんな方がこの会に参加しているか知りたいとのご希望で参加者全員の自己紹介が有りました。

奥平真砂子さんのお話

私が始めて海外に出かけたのは、1981年「ミスタードーナッツ障害者リーダー育成海外派遣事業」の第1期生として選ばれたときです。これは日本の障害者リーダーを育てる目的で、アメリカに派遣して経験や知識をつけてもらおうという企画です。私はその時、初めて飛行機に乗り海外へいきました。この時のアメリカで暮らした7ヵ月が大変心地よく印象深かったので、帰国してから研修中に築いたネットワークを利用してバークレーの自立生活センターで3年半働きながら暮らしました。その後、日本に戻り、一般企業で約8年仕事をしました。
1998年から、全国自立生活センター協議会(JIL)で仕事をするようになりました。この協議会は、障害を持った人々が地域で暮らしていけるように色々な援助を行う所で、現在98個所あります。また、自立生活センターがない地域には、設立に向けての援助を行ったりもします。
4月からJILで働きはじめて直ぐに、約25人のツアーの引率をしました。行き先はアメリカでした。会議出席のための旅行で、12台ほどの車椅子の方が参加しました。やはり、飛行機での移動に一番問題点がありました。まず、日本の空港では、自分の車いすでなるべく飛行機のそばまで行きたいのになかなか認められません。車いすは「靴」と同じです。しかしなぜ、車いす利用者が靴を履き替えなければならないのでしょうか?また電動車いすではとくにウエットタイプのバッテリーの扱いがいつも問題になります。機内でのトイレも障害によって処理方法は様々ですが、時々お手伝いをお願いするといや顔をする乗務員もいます。
旅行は介助に関しても注意が必要です。24時間の介助が必用なひとで、介助者との人間関係がうまく行かなくなってしまうなどした時に、私達がコーディネイトしなければなりません。
昨年、ハワイで開催された国際会議に行った時は東京(成田)関西、福岡から65名の参加者があり(内約25名の車いすでの参加者)現地のバスの手配などで大変苦労しました。
ある旅行でアメリカに行った時、車いす14台が国内線の小さな飛行機の貨物室に収まりきらず、別の便で何台かの車いすを運ぶことになりました。当然のことながら利用者の説得が大変でした。
旅に関して腹立たしいと思うがあります。航空会社に対してですが、車いすは「靴」や「足」と同じ、大切に扱っていただきたいです。普通の荷物とは違うのです。
また空港では、チェックインや搭乗の際に、喧嘩しなければならないことも多いのです。例えば、車いす利用者の搭乗やバッテリーの扱いなどに関してです。それくらいの気持ちがなければ、参加者の権利を保障できないからです。
私は今までにたくさんの障害者の方と旅行をしました。知的障害の方とはあまり経験がありませんが、臨機応変に当事者主体という考え方に基づいて対応することが大切だと思います。
現在、私は障害者リハビリテ―ション協会でアジアの障害者を日本に呼ぶ(前出ミスタードーナッツの新規事情)の担当をしています。アジアの色々な国に日本で学びたい障害者の面接に出向きます。フィリピンのキャンデラリアという町では電話が1つしかないので、日本へ連絡するのにもとても大変でした。パキスタンのラフォーレでは街に男性しか歩いていませんでした。宗教の関係で女性は一人で出歩かないのです。食事に行ったレストランでも、女性用トイレはありませんでした。
今の日本では国の隅々までマスメディアを通じて同じ情報が浸透しています。しかしアジアの国々に行ってみるとそういう国はいかに希であるかがよく分ります。自分の住んでいる所以外の様子は知る術もないのです。でも、どこに行っても障害のある人は存在していて、それぞれの地域で頑張って生きているのです。
これからもいろいろな国に出かけ、いろいろな人に出会い、いろいろな経験を積むことができることを楽しみにしています。
このお話の後、「みなさんはどんな旅行先が印象に残っていますか、」と奥平さんからの問いかけがありました、時間の許す限りで、それぞれの旅先でのエピソードなど楽しい話が続出しました。

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