「もっと優しい旅への勉強会」定例会報告

1994年6月 定例会の報告

日時:1994年6月22日19時15分~21時40分

会場:JTB本社3階プレゼンテーションルーム

参加者:46名

PartⅠ:「アクセシブル盛岡の活動とまちづくり」

アクセシブル盛岡代表 石川 紀文氏

私自身、この勉強会の会員でもあり、月例会に出られることを楽しみにしていました。今は、ホテルメトロポリタン盛岡に勤務していますが、その前は、茨城県の福祉施設の職員として働いてました。
メトロポリタン盛岡は、地元の車いすバスケットボールチームの方々に利用していただいており、この方々とお付き合いをしておりました。89年頃にカナダ大使館の方からカナダへの招待の話がありまして、91年2月に27名で遠征をいたしました。また、92年にはビクトリアチームが来日し、交流試合やさんさ踊りへの参加をいたしました。カナダ遠征の際には、私も準備等をお手伝いしまして、実際にカナダへも行きました。このときにホテルやデパートがアクセシブルになっているバンクーバーで感銘を受けまして、盛岡もこの様な街にしたいと思い、昨年10月に「アクセシブル盛岡」を結成いたしました。

私たちの例会も毎月1回開いておりますが、お酒を飲みながら話をするような雰囲気でおこなっています。この集まりの中で、車いすで行けるお店を探す企画が考えられ、ついでに探したお店を表彰しようということになりました。昨年12月に1号店を、今年5月に2号店を表彰いたしました。しかしながら、探すのが意外に大変なことを実感しましたので、「アクセシブル岩手100選」として、一般から募集する企画を考えました。現在、30店ほど応募があり、秋にアクセシブル大賞として表彰をおこなう予定でおります。

企画として42名程の人を集めてピクニックを5月に実施しました。このときは、「どうせやるなら」ということで、新聞社などの報道機関の記者もお誘いしました。地元の報道関係12社中9社の人が参加して、車いすに乗ったりアイマスクを着用しての歩行体験をしてもらいました。ニュース番組や、掲載記事として報道されましたが、これを見た高校生などから、参加の問合せがありました。今年の秋か来春に今度は市議会議員や県議会議員も参加してもらって、もう一度やりたいと考えています。

今年の10月15日~16日に盛岡で開かれるボランティアフェスティバルに協力することになりまして、「奥州探訪ツアー」という企画を実施します。ぜひ皆さんもご参加いただければと思います。
今後の活動としては、旅行の受入れを考えて行きたいと思います。岩手県は観光立県として名乗りをあげていますが、このなかで「アクセシブル・イーハトーブ」というテーマを提唱して、障害者に優しい観光地を作っていきたいと考えています。具体的には、アクセシブルインフォメーションセンターの設置や障害者大会の誘致を考えています。

しかしながら、現状はあまり改善が進んでいませんので、少しずつアクセシブルな岩手県を作って行きたいと考えています。一つは、ホテルマンとして全国の障害者問題に関心のあるホテルマンを集めること。福祉の街づくりをして、良い所をどんどん表彰することなどです。これまでも岩山展望台や盛岡駅にスロープ、川徳デパートに障害者用駐車場を設置する活動を行って実現しました。

質疑応答

Q:アクセシブル盛岡のなかには障害者スタッフは何人いますか?

A:私は去年障害者手帳を所持するようになりました。(注:会員の中には12名の身体障害者手帳を所持する方がいます)

Q:活動として何をやっていますか。それに対しての県の対応は?

A:自分たちの活動が、盛岡での改善運動の第1歩になればと考えています。最初の頃は「アクセシブル」という言葉も知られていないのが現状でした。会員も当初の20名が県の人も含めて50名に増えました。

Q:「アクセシブル岩手100選」は出版する予定ですか?

A:100選は出版する予定です。

PartⅡ:「障害者旅行と介助者」

障害者いきいき情報センター代表 山添 眞寿夫氏

私は、本職として毎日観光という旅行会社の社長をしております。5年ほど前にある作業所からバス旅行の依頼がありまして、不安がありながらも社員全員で対応をいたしました。この後、グァム旅行の企画があり、自分も添乗ボランティアとして参加しました。このとき、最初は乗り気でなかった参加者の皆さんが、帰ってきたときは、いきいきとした表情をしていたのが、印象的でした。
養護学校の校医をされている吉岡先生に『旅行は障害をもっている人にとって良いことなのか』とお聞きしたところ、楽しいことをすればよくなるというお話をお聞きしました。普段私たちでも、なかなか本音で生きることは難しいと思いますが、本音で活動できるような団体を作ろうと、自立センター所長田中さん、福祉相談員の勝矢さん、中途障害の鈴木さんなどとこの「障害者いきいき情報センター」を設立しました。
昨年の3月の設立から1年とちょっと経ちますが、障害をもった方とボランティアの人が気軽に参加できるような、旅行やレクリエーションを行ってきました。
現在会員数は345名です。内訳は、障害者の男性70名、女60名。家族20家族。ボランティアの男性40名、女90名。施設等25団体となっています。入会は、電話などで申込みを受付けておりますが、全体の例会は行っていませんので、機関誌で会員同士のつながりをもっています。会員の50%が江戸川区内の方で、30%がその他の都内の方、20%が都外の方です。新聞などで取上げられたり、研究集会での講演やふれあい祭りに参加したりもしています。
運営は、月に1回スタッフ例会を行い、企画を検討して、機関誌でお知らせをしています。また、ボランティア募集のための説明会を2回開催しました。 団体の特徴として、利潤を求めないことがあります。通信費として年間1000円を集めていますが、これも強制ではありません。また、企画を行う際には障害をもった方を中心に何をしたいか考えています。
また、専門家のスタッフを交えて、役割分担を明確にして、事前の打ち合わせをきっちり行っています。スタッフに思いがありますので、簡単に仲間になれるという面もあります。障害者の方からは、参加する時にボランティアを探さなくても良いということもあげられます。障害をもった人が何をしたいか、そしてそれを手伝うということが中心です。
課題としては、学生と社会人の仕事への取り組み方の違いからでる問題(学生ボランティアがちょっと手を抜く傾向がある)などから、それを補う立場の社会人ボランティアの人への細かい配慮の必要性があると思います。
旅行事情の改善には、大勢の人でどかっといって現状を見てもらうことと、介助する人とされる人との意思の疎通が重要だと思います。
百聞は一見にしかずです。今後の活動予定では、8月に長瀞の温泉への旅行、11月にも伊豆西海岸への温泉旅行そして、12月に、グァム旅行を予定しています。是非皆さんも参加ください。

質疑応答

Q:会場まで自力集合ですか?

A:原則として会場集合だが、難しい場合はボランティアの人が送迎する。

Q:旅行料金の設定をどうやっていますか?

A:良質な旅行をリーズナブルな費用で提供するという基本姿勢で行っている。私たちの団体の旅行は、医者が同行し、ボランティアを手配する心配がいらない。

Q:いろいろな団体に呼びかけを行う場合に、スタッフや障害者の中に問題意識の少ないような方がかかわってくるかもしれないが、どうするのか?

A:結果でだせればいいと思う。

Q:航空機内でのサービスに関して要望はありますか?

A:特にありません。

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