「もっと優しい旅への勉強会」定例会報告

1992年6月 定例会の報告
「高齢者旅行について」

講師:桜井 里二氏 (特別養護老人ホーム さくら苑)

日時:1992年6月24日(水)19時15分~21時45分

会場:JTB本社3階プレゼンテーションルーム

参加者:26名

今回は、老人福祉の分野でユニークな活動をされている、さくら苑代表の桜井さんをお招きして、高齢者の旅行について。まずは、桜井さんの説明。「理念は、(1)人間が主体である。(今までの施設の中には、生活感覚からするとチョットというものが少なくない。例えば、歯ブラシが各自用でなかったり、幼児言葉で職員が対応したり)(2)連帯の輪を無限に広げていく。(勉強会の存在も高齢者問題に関心を持つことで力強い)(3)日に日に新たな今日を創造していくです。現在、重度の障害をもつお年寄りなど70人と職員56名で生活しています。」

その後、スライド上映に。100カットほどの活動の場面は、どれも明るい感じ。 活動の幾つかをご紹介すると

1.ヨコハマY共和国

1987年11月22日に建国された苑内独立国。入居者の中から王女様や大臣が選ばれ、ユーモア感覚で日常生活や苑の運営などの会議が行われている。建国の日には韓国、ウクライナ、ハワイなどの留学生やお客様など近所も含めて500人が集まり、バザーの収益は難民パーティに寄付している。

2.CAPP(Companion Animal Partnership Program)

人と動物のふれあいを通して、お年寄りや障害者に精神のリラックスや身体を動かすきっかけを作ったりしようというねらいで、日本動物病院福祉協会の支援のもとにおこなわれている。動物に声をかけたり、世話をしていることがリハビリにつながる例もあるとか。

3.空とぶじゅうたん活動

気軽に自由に街に出かけてゆき、街の人々と共に生きる生活を実現すること。また、外出に行きたいと意志があれば尊重され、87歳の松葉杖の方が一人で花博見物にも出かけた例も。
旅行は、春と秋に社会探訪1泊旅行。ボランティア20名を含む総勢40人で横浜中華街に行った時には、街の段差や体よく断るレストランなど、苦労しました。

質疑応答

Q.小林 氏:旅行の際のボランティアの手配はどのようにしているのか。
A.桜井 氏:地域の人や専門学校の学生さんがきてくれます。

Q.加納さん:始めたきっかけは。
A.桜井 氏:特別な動機はありません。父が寝たきりになった時、大変さを実感しました。
特別養護老人ホームの運営を考 えた時、全国50ヶ所見て廻った。大変でまいるなと思ったが、やり方次第で変えられると夢が膨らんだ。

Q.草薙 氏:最近1泊旅行はどこに。
A.桜井 氏:浜名湖や千葉です。疲れるのでバス4~5時間の距離が限界。
旅行は1年中で一番感動が大きいですね。フェリーで30分移動するだけで、感動が沸き上がっているようです。われわれの海外旅行より大きい変化でしょうから。障害をもった人がほとんど可能性にあふれた一人の人です。また、人間の肉体そのものが衰えても、人間がダメになったわけではなく、本質は変わらない。ホームは介護するところではなく職員も同じレベルで生き、感動し、可能性を出し合うところだと、私は思います。

以上

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